第一中央法律事務所

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損害賠償

はじめに

このページをご覧になってる中には、2種類の方がいるはずです。
ひどい目に遭って損害賠償請求をしたいと考えている方。
逆に、損害賠償請求を受けて不安と焦りを、時には怒りを覚えている方。
私たちは、いずれの立場の仕事も引き受けています。

いずれか一方の立場の代理しか引き受けない、という弁護士も多いです。
しかし、攻める側、守る側、いずれに正義があるかは、中身をしっかり吟味してわかることです。
また、正義は中間にある、ということも非常に多いことです。

以下には、損害賠償請求をする立場(原告)を例にご説明します。

よく聞くご不安やお怒り

損害賠償請求には、大きく分けて2つの場合があります。
相手と取引関係にある場合と、交通事故のように相手がまったくの他人の場合です。

いずれの場合にしても、損害賠償請求をしたいと考えている方は、二重、三重に苦痛を受けています。

第1の苦痛は次のようなものです。
現場には大混乱が生じたはずです。
会社や人の「命に関わる」ものかもしれません。
多くの人が夜を徹して対応し、現在も対応に追われ、夜も十分に眠れず、疲労は極限に達し、心やからだの健康を害しているかもしれません。
多額の費用もかかり、資金繰りにも大きな影響がでているでしょう。

第2の苦痛は、加害者側の対応です。
謝罪の言葉もない。
あったとしても、言葉だけ。
補償については、何も言及がない。
開き直り。逆ギレ。保険会社に丸投げ。
時間ばかりが経過していく。
こうした、理不尽で不誠実な相手の対応に、抑えきれない怒りを抱えておられることでしょう。

第3の苦痛は、被害者であるはずの、あなたやあなたの会社が責められることです。
加害者からも「そちらにも落ち度がある」といわれる。
被害によって、会社の業務が滞り、支払い、納品が遅れサービスの質が低下してしまう。家庭内に不和が生ずることもあるでしょう。
被害者であるはずの、あなたが、いつの間にか、何か悪いことでもしたかのような扱いになってしまいます。 

私たちは、こうした理不尽な現状と真情を理解し共有することが、弁護士に第一に必要なことだと思っています。
共感をもってその立場に理解し、不安、焦燥、怒りを軽くして頂くこと。
それが私たちの、最初のミッションです。

話をするだけでも気持ちが楽になるかもしれません。
お気軽にご連絡ください。

勝敗を分けるポイント

損害賠償事件において、勝敗を分けるポイントは3つです。
その損害は相手のせいか(有責性)。
広がる損害のどこまでが「相手の落ち度の結果」か(因果関係)
それはお金に換算していくらか(損害論)という話です。 

このサイトは教科書ではないので、抽象的な説明はいたしません。
以下に、私たちの手がけた案件を具体例にご紹介します(ご依頼者の許可をえて、かつ、事案をすこし変えています)。 

【ガス爆発事故 ~営業再開後の損害賠償が認められた事案~】

あるリゾートホテルで、ガス管に亀裂からガス漏れが生じ、ガス爆発事故が起きました。厳冬の2月の深夜2時のことです。
本当に不幸中の幸い、死者も重傷者もでませんでした。
しかし、ホテルには次のような損害が生じました。

・厳冬の未明に宿泊者には他施設に移動してもらわなければならなくなりました(宿泊者への賠償。他施設への支払い)。
・全役員・従業員は時間外出勤をして対応に追われ、知人らの応援も得ました(その人件費、食事代その他)。
・全客室のほぼ半分は使えなくなり、数億円をかけないと元に戻りません(補修費)。
・補修が終わるまで3か月にわたる休業をしなければならなくなりました(休業損害)
・営業再開後も、そのホテルには「爆発事故」の風評がついてまわり客足は戻りません(風評被害)。
・老齢の代表者は、心労に倒れました。 

ホテルは、ガス事業者に補償を求めましたが、ガス事業者らは、「ガス管に亀裂が入ったのは、地盤の移動が原因で、自分たちに責任はない。」との主張を繰り返すばかりで責任を認めません。
まったく補償が受けられないまま、日数だけが経過していきます。

損害賠償請求というのは、タイムリーになされなければ意味がありません。
このケースでいえば、早期に補修して営業を再開できなければ、ホテルは倒産してしまいます。会社が潰れてから、お金が入っても意味がないのです。
幸い地元の金融機関の支援を得ることができ、賠償が遅れても倒産は免れました。

ホテルは、政治家の紹介で、とある弁護士事務所に依頼し訴訟を起こしました。
しかし、訴訟提起後、1年経っても、先が見えてこない、ということで、私どもの事務所に、セカンド・オピニオンを求めてこられました。

私たちは、厚さ10数センチに及ぶ訴訟記録を熟読・分析し、事故現場に赴き、多くの関係者から事情を聴きました。
さらには警察の捜査記録を入手し、鑑定結果も検証しました。

問題は、大きく分けて2つありました。

第1は、ガス事業者の「有責性」です。
ガス事業者は、ガス漏れの原因は「地盤の移動によるガス管の亀裂」であって、自分たちのせいではない、点検に落ち度があってもなくても避けられなかったものだ、と主張していました。
そもそも、ここをクリアしないとホテルは敗訴、まったく賠償してもらえないことになってしまいます。

第2は、営業再開後の売上低下について、賠償請求できるか、です。
ガス事業者は、「ホテルの売上げは、もともと年によって変動があるものだ。また、事業を再開してからの売上低下は、その年にあった東日本大震災の影響であって、そうでなければ、ホテルの営業努力が足りないのだ」と主張していました。

第1の問題については、私たちは、従来とはまったくちがう視点で考えるべきだとアドバイスしました。
訴訟では、それまで「ガス事業者が法定点検義務を果たしていたかどうか」「本当に地盤が動いたか」が争点になっていました。

しかし、私たちの分析の結果でも、地盤が動いたことは明らかなようでした。

では、この訴訟は負けなのか。

そうではありません。
損害賠償法には、例外的に「無過失責任」が認められており、本件では、その適用が可能だと考えたからです。

民法 第717条
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。 

この規程によれば、「ガス管がガス事業者の占有物であり、所有物であれば、損害賠償請求をできる」という主張が可能だと思われました。

真の争点は「ガス事業者が点検をちゃんとしていたか」「地盤が動いたか」ではなく、「ガス管の所有者は誰か、管理・占有者はだれか」なのです。

第2の問題点は、営業再開後の売上低下は、事故のせいか、という点です。
この点については、統計学の専門家の力を借りました。
弁護士は、すべての分野に専門知識を持っているわけではありません。
ただ、できる限り、広い範囲に、優秀で柔軟な思考のできる専門家のネットワークを有していることが重要です。 

ガス事業者側の主張は「ホテルの売上げは、もともと年によって変動があるものだ。また、事業を再開してからの売上低下は、その年にあった東日本大震災の影響であって、そうでなければ、ホテルの営業努力が足りないのだ」というものでした。

一番の難所は、東日本大震災の影響の点です。
「ないこと」の証明は「悪魔の証明」と呼ばれ、非常に難しいとされます。
この場合も、売上低下が「震災の影響ではない」ことの主張は、非常に困難で、我々は何度も会議を重ねました。
その中で、統計学の専門家から出されたアイデアは、次のようなものでした。

「震災の影響で、売上低下が起きたのならば、このホテルだけでなく、周辺の宿泊施設にも、同じように売上の低下が起きるはずである。近隣の同種の宿泊施設の売上げを調べ尽くしてみましょう。」

シンプルですが本質をついた極めて重要な気づきでした。

この気づきの結果、大変な労力と時間がかかりましたが、結果を出すことができました。
近隣の同種のホテルの売上低下と比較して、爆発被害にあったホテルの売上は、有意に大きく低下していたのです。

このような作業の中、ホテルの経営陣は、弁護士の交代を決断され、我々は、前の弁護士から引き継いで訴訟を担当することになりました。

裁判官らは、私たちの主張と立証を好意的には評価してくださいました。
私たちが出廷した際、「訴訟が始まってから、初めて裁判官の笑顔をみた。」と、すべての期日に立ち会っていた副社長から伺いました。

結局、ガス事業者の賠償責任は認められ、請求額も数千万に増額させたうえで、早期に和解することができました。

私たちの姿勢

私たちは、チームワーク、フットワーク、ネットワークを重視しています。
事案を徹底的に分析し、依頼者と弁護士だけではなく、他の分野のエキスパートの智恵も借りて最善の結果を出すべく努力をいたします。

セカンド・オピニオンを求められることも歓迎いたします。

ご相談にあたっては、以下をご準備ください。
Excelなどでまとめていただけると、より一層、生産的です。 

・関係図
 利害関係者の関係を図にまとめたものです。
・時系列表
 起こった出来事を時系列でまとめたものです。
 裏付け資料(被害写真、領収書など)
 番号をつけて、時系列表とひも付けていただくと一層効果的です。

 

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